例え話が優れていて、部分的に読むよりも、できれば1冊まるごと読んでほしい本です。
- 文章を書こうとすると固まってしまう
- 自分の気持ちをうまく文章にすることが出来ない。
この2つの悩みを抱えている人に向けて書かれています。
著者は「嫌われる勇気」などで有名な古賀 史健さんです。
本の特徴

読み応えのある良い本だと思います。読後感が良いとも言えます。
この本では、文を飾るテクニックと言うより、文を作る際の構成テクニックを学びました。
文は有っているのに、違和感を覚える文章しか書けない
言っている内容は間違っていないのに、騙されているというか違和感を感じる。
そういう文章になってしまう場合、何か足りない構成要素があります。
そのような文章の具体例がいくつか用意されていて分かりやすく、感覚にもピッタリ来ました。
構成要素については後述の論理展開は「主張→理由→事実」の3要素にて。
いつでも使える文章術
ブログ、論文といったジャンルに分かれることなく、全ての文章に使えるテクニックが書かれています。
- 読む人をできるだけ詳しく思い浮かべて書く。
- はじまりの文の重要性を映画の予告に例えて説明。
下記の本と被るところもありましたが、内容が同じでも表現が異なっています。
そのため、両方の本を読んでて、より理解が進んだと思います。
印象に残った1文
「文章は面倒くさい細部を書いてこそリアリティを獲得する。」
文章を書きたいと思うときはあるが、書きたい場所に辿りつくまでが長い。
そう思っていた自分に突き刺さる文章でした。
この面倒くささは避けられないという事です。
しかし本を読み終えた後、ネガティブな印象は受けませんでした。
「避けられないなら前向きに取り組んでやろう」と言うポジティブな考え方に自然と変わり、読んで良かったなと思いました。
分かりやすい構成テクニック

論理展開は「主張→理由→事実」の3要素
1段落の中で、最低限「主張、理由、事実」の3要素が必要になります。
順番は変えても大丈夫ですが、要素が一つ抜けると文章として未完成となります。
著者は下記の文章を具体例として説明してくれました。
大相撲の人気を回復させるため、ナイター制の導入を提案する。(主張)
20歳の自分に受けさせたい文章講義(古賀 史健)
なぜなら、平日の昼間から会場に足を運べるファンはかぎられるからだ。(理由)
実際、プロ野球やサッカーも平日はナイター制をとっている。(事実)
それぞれの要素が抜けると下記の問題が発生します。
「主張」が抜けると:最終的に何が言いたいのか分からない。
「理由」が抜けると:主張と事実の間に、何の関係があるのか分からない。
「事実」が抜けると:説得力が少なくなる。
論理展開を更に進化させる方法
「主張→理由→反論→再反論→事実→結論」に進化できます。
理論的説得でなく、感情的納得に読む人を持ち込むための追加要素です。
「主張、理由、事実」だけではスマートすぎて、主張ありきの文章に受け取られてしまうかもしれません。
「反論、再反論」の要素を持ち込むことで、他の選択肢も考えたのだと伝えることができます。
長くなった文章でも、「結論」を最後に書くことで主張を正確に伝えられます。
自分で考えて、自分の言葉で翻訳することが大切
本の内容をそのままコピペする、と言うのは理解からは少し遠い。
自分なりに言い換える、自分なりの解釈を付け加えることが理解には大切だ ということです。
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