この本を選んだ理由
お金について知識を蓄えたいと思い、図書館で借りてきました。
ネットで調べたところ、最初に読むべき本として紹介されている本です。
お勧めの読み方
この本は読んでいるうちに引き込まれるように夢中になりました。
なので、「目次→プロローグ→エピローグ→本文」でも「最初の1ページから順番に」でも、読みたいように読む事が一番早い理解になると思います。
印象に残った点
大事なことは「自分の動く範囲」を見極めること!
自らの人生で重要なことは「勝敗の程度を自分の範囲内で収める」ことです。
つまりは、「自分の人生を自分で制御する」という事です。
それができなければ、「決定的な敗北」が訪れることになります。
自分自身の操縦を手放さないために「金と身の守り方」という知識が必要になるのです。
- 知らなかったらゾッとする知識が多数出てくるため、楽しみながら読み進めることが出来る。
- いくつかの質問やカイジの世界観がちょうどいいアクセントとなるので、退屈する事が無い。
- その上で経済学の知識を得ることが出来る
これら3つの理由から、最初に読むべき本として、勧められた理由を実感できる一冊でした。
給料とはどのように決まっていたのか。
ある意味、「給料を上げたい!」と思う人にとって、全ての前提知識となる知識です。今まで私は前提から誤解していたのだと気づき愕然としました。
私の給料に対する考え方が大きく変わった文章です。これまで私は給料とは労働の対価であり、給料の高さは労働の難易度によって決まるのだと漠然と考えていました。
給料とは、必要経費方式+一生涯保障型となるそうです。
必要経費方式とは私たちが生きるに必要な経費で決めるという事です。衣食住と娯楽といった、社員が明日も会社に元気に働くためのお金となります。
更にこのお金は、社員本人だけでなく家族の明日も保障します。そのため家族を養う父親の給料は増え、大きくなる子供の養育費を支えるために給料は増え続けます。年功序列型賃金というものは、こうして作られました。
つまり、給料は仕事の重要度や難易度ではなく、一般的にその仕事に就いていそうな人間を基準に決まっていたのです。
逆にワーキングプアの原因もここから考えることが出来ます。家族の形が固定されていた時代、父親の給料は家族を支えるために高く設定されましたが、そうでない母親や子供の給料はその分低く設定されました。
多様化社会となる中で、働く人の状況が変わったのに、給料を決める基準が変わらないため、ワーキングプアという状況が出来上がるのです。
「自分の範囲」を揺るがす、外部の影響
自分が操縦できる範囲で動きましょう。そして、知らない間に自分の手が届かない事態にまで大きくならないよう、その原因を知っておくことが重要です。
具体的な金の恐怖として、紹介されていた知識は以下の通りです。どれもこれも無知、無防備のまま向き合っていたら…と考えるとゾッとします。
- 元金均等返済と元利均等返済
- 単利と複利
- リボ払いと借金をまとめる恐怖
- 契約書の恐怖
- 賭け事の期待値と参加費
「自分の範囲」を揺るがす、内部の影響
また、自分の操作できる範囲で動くというのは難しいものです。原因の1つに感情的に飛び出してしまうという事が挙げられます。そのため、感情的に納得することが身を守ることに繋がります。
「自分自身の操縦を離さない」とは言っても、実行するのは難しいです。ですが、考え方を変えることで幾らか簡単なものにすることが出来ます。
そのための経済学知識としては、以下のものが紹介されています。
- 参照点
- サンクコスト
- 1円当たりの満足感
まとめ
『カイジ「命より重い!」お金の話』はとても読みやすい本です。問題や無知の末路を紹介することで緊迫感を煽ってくるため、ページをめくる手が止まらなくなります。
更に本の内容も「知っておくだけで意味のある」内容ばかりなので、どんな人でも一度読んでおくことをお勧めします。
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